筋トレ前に静的ストレッチを行うと、運動パフォーマンスを下げてしまいます。筋トレ前には動的ストレッチを行う方がよく、静的なストレッチはリラックス前や就寝前に行うと良いという話をしました。
ただしストレッチ自体には様々な健康効果があり、適切なタイミングで適度に行うと体や心がほぐれるのでおすすめです。今回は股関節や筋肉の筋を伸ばす静的ストレッチについて、どんなタイミングでどのくらいの頻度・回数を行うと効果的なのか詳しく見て行きましょう。
目次
ストレッチに最適なタイミングは筋肉が暖かい時
グループ１：筋肉が暖かい状態でストレッチをする
グループ２：普通の状態でストレッチする
２つのグループがそれぞれストレッチを行った直後の効果、そして持続的な効果について比較した調査があります。グループ１の方が、直後の効果も持続的な効果も高いという結果が出ています。ということは、有酸素運動や筋トレをして体温が上がり筋肉が暖かい状態の時やお風呂に入った後にストレッチを行うと良いということですね。運動の前の準備体操ではなく、整理体操のような形でストレッチを取り入れると良さそうです。
ストレッチは毎日するべき？
ストレッチを習慣にしている人は、毎日必ず行う人が多いと思います。バレリーナのような体の柔軟性を維持しなければならない人たちは、毎日必ず念入りにストレッチをしますよね。でも一般人だと、毎日ストレッチするのは面倒だなぁ〜と思う人も多いと思います。ストレッチは毎日しなければ意味がなさそうだから、面倒だしやーめた！と、ストレッチを始められない怠け者さんもいるでしょう。しかし実際は、ストレッチは毎日繰り返さなくても十分効果のあるものなのです。
週１or週３or週５or？
毎日繰り返さなくても効果があるというストレッチ、それではどのくらいの頻度でストレッチを行うのが良いのでしょうか？
グループ１：週１でストレッチをする
グループ２：週３でストレッチをする
グループ３：週５でストレッチをする
３つのグループの柔軟性の増加を比較したところ、グループ２と３はグループ１より柔軟性が増加したという結果だったのですが、グループ２と３の間には大きな差がありませんでした。
週２〜３日or毎日？
グループ１：週２〜３回ストレッチをする
グループ２：毎日ストレッチをする
２つのグループの１ヶ月後の柔軟性の増加を調べて見たところ、２つのグループともに柔軟性が増加していましたが、ほとんど差は現れなかったのです。
上の２つの調査の結果から分かることは、体の柔軟性を維持・増加させたい場合毎日ストレッチする必要はないということです。週２〜３回のストレッチで十分です。どうでしょう？週２、３日でいいならストレッチ始めてみようかなと思う人もいるのではないでしょうか？
ストレッチは長期で継続するべき？
こんな実験も行われています。被験者はハムストリングス（太ももの後ろ側にある３つの筋肉で構成される筋肉）のストレッチを週3回間、１ヶ月間にわたり行いました。ストレッチを行っている間毎週一回、そして１ヶ月経ってストレッチをやめた後さらに４週間、体の柔軟性の効果を調査しました。
ストレッチを継続することで体の柔軟性が高まり、ストレッチを止めた後も１ヶ月間の間は柔軟性が維持されていることが分かります。
相当面倒臭がりの人や相当忙しい人は、週３回１日置き程度のストレッチを１ヶ月間継続したら、次の月はお休み月にしたとしてもストレッチの効果はある程度維持できるということですね。
ストレッチにはその他いろいろな健康効果も
ストレッチにはリラックス効果があり、体のコリや緊張をほぐすので睡眠前に行うとよく眠れます。体を柔軟にするだけでなく血管も柔軟にするので動脈硬化の予防にも効果的なのだそうです。
緊張やストレス、不安、心配があると人の体は固まりやすくなります。ストレッチをして体を柔軟に、そして心も柔軟に保つことは心と体両方の健康に良いことです。
運動前に行うストレッチは30秒以内
ハードな運動を行う前にストレッチをすると本番のパフォーマンスを下げ筋肉増強効果も低下させてしまいます。運動前には、本番で行う運動を軽めに行う準備運動が効果的です。どうしても怪我予防のためにストレッチをしたいという人は、１部位15秒〜20秒程度、長くても30秒以内に抑えてストレッチをするとパフォーマンスに影響を与えることがありません。
短めのストレッチをしてから、ウォーミングアップで心拍数を上げて体を温めるようにすると良いでしょう。そして筋肉が温まっているトレーニングの後にストレッチで体を十分に伸ばしておくと効果的です。
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